午前、日比谷へ。映画「sicko(シッコ)」を鑑賞。
監督マイケル・ムーアがアメリカの医療保険制度に突撃取材、
米社会の問題点を浮き彫りにしメスを入れた話題のドキュメンタリー作品です。
多くの人から「是非見たほうが良い。」と勧められていたのですが、ほんと百聞は一見に如かずで見てよかったです・・・。
アメリカでは国民皆保険制度が導入されていないことは承知していましたが、これほどまでに矛盾や問題点が多いとは正直びっくりです。
保険に入りたくても「太りすぎ」「痩せすぎ」を理由に加入できない。癌なのに「あなたの年齢でその癌はありえない。」
と保険会社から給付を否認される。救急車を呼ぶのにも保険会社への事前申請が必要。
挙句の果てのには治療費が払えない入院患者がダウンタウンにあるホームレス保護センター前に捨てられる・・・・
そんな信じられない光景を目の当たりにし、これがあの自由の国、世界をリードする国の実態なのかと・・・唖然としてしまいました。
アメリカでは保険会社が人の命を左右し、その保険会社がせっせと議員達に献金し、議員達は保険会社が儲かるような法律を作る。
そんなシステムが確立しているようです。
嘆かわしい限りです。
この映画がきっかけになったかどうかは解りませんが、民主党のヒラリークリントン女史やオバマ氏は次期大統領選挙に向け
「国民皆保険制度導入」を公約にし始めたとか・・・?
是非、頑張ってほしいものです。
またこうした問題は決して我が国にとっても「対岸の火事」とは言えそうにもありません。
経済諮問会議等が主導してきた日本の医療制度改革は患者負担だけでなく、医療分野を規制緩和し、
市場原理を導入して営利企業の参入を図るものです。これは医療を新たな儲けの場と考える日米保険業界など財界の意向だと思われます。
医療が弱肉強食の市場原理で行われ、命より利益が優先されれば今アメリカで起こっているような悲劇が生まれます。
映画の中では医療費の大部分が公的保険でカバーされるイギリスやフランスの例も紹介され未来への提案もなされていますが、
果たして日本はどっちの方向へ行くのか・・・?
他人事にはしておけない問題です。
是非、この映画を見ていただきご意見をお寄せ頂きたいと思います。