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2020.06.06

根津神社のお祭りは「中止」に。

新型コロナウイルスの影響で今年の根津神社のお祭り(9月)が中止になったとのこと。

諸般の状況を鑑みればいたしかたない・・・。お祭りが中止になるというのは私も始めての経験。根津神社のお祭りは江戸三大祭りのひとつとも呼ばれ、その縁起は江戸時代中期、六代将軍 徳川家宣が幕制により根津神社の祭礼を定めたことが始まりだと伝えられている。

 

写真(上)は神社「宮神輿」の渡御(とぎょう)の様子。宮神輿は3基あり、あまりに大きすぎるため担ぎ上げる事ができず、お蔵入りしたままだった。それを復活させ2006年根津神社300年祭の折に、氏子町会などによる渡御が実現した。

渡御の方法も、神輿の下に台車をつけ、装束を纏(まと)った氏子が静かに担ぎ歩くという古式ゆかしきスタイルだ。なかなか目にしない光景で、一見の価値ありだと思う。

次回の宮神輿渡御は確か再来年あたりだったか・・・忘れてしまったがたぶんそのあたりだと思う。

 

 

私自身はお祭りが大好きというわけではない。でも、子供の頃から9月になればお祭りがあり、みんなで神輿を担いだり山車を引いたりしてお菓子や風呂券をもらう事が楽しみで、ごくあたりまえに、ごく自然に参加していた。

そこには好き嫌いに関係なく地域の恒例行事として、みんなが協力し合い何日間かを共にするという文化があり、習慣があった。中学生くらいになると、誰もが子供神輿から「大人の神輿(写真下)を担ぎたい」という欲望にかられる。大人の仲間入りへの第一歩か・・・。

大人の人たちもそれを受け入れ、お祭りの「次世代への継承」がスタートする。それもまたごく自然にそして当たり前に。
そうして私もお祭りを受け入れ、そして受け継いできた。

 

 

今、「新しい生活様式」が提唱される中、こうした文化や風土・風習・習慣はどうなっていくのか・・・とても気になる。お祭りはまさに「密」だ。コロナが収束したとしても従前どおりこのままと言うわけにはいかないかも知れない。

今後の祭りの運営については神社総代会や氏子町会などで協議が進められることと思う。良き文化や風習を伝えていくという視点から冷静に見守りつつ、必要があれば提言もしていきたいと思う。