特集3日目、今日のキーワードは「コミュニケーション戦略」。
なにそれ?って感じですが、今 政界では注目を集めていることばです。
政権交代を実現するためには当然、選挙で過半数を得ることが必須ですが、 その選挙戦に勝つための手法の一つがコミュニケーション戦t略です。(以下コミ戦と記します。)
コミ戦が最も成功した例として挙げられるのが2年前の「郵政民営化選挙」。
自民党の歴史的大勝利でした。
当時は、小泉総理の稀有なキャラクターと決断力が大勝の要因とされていますが、そんな小泉氏を支え、 選挙戦を操ったのが自民党内に設置された「コミュニケーション戦略本部」(座長 世耕弘成参議院議員)だと言われています。
世耕氏をキャップにして党職員、民間広告代理店社員などでで組織されたこの「コミ戦チームは」、詳細かつ綿密な情報収集と分析・
そして徹底的な危機管理で候補者やマスコミを操り、党本部が主導権を握った選挙戦を展開していきました。
「造反組」「刺客」「マドンナ」などの言葉を巧みに操りメディアを翻弄して、
国民をテレビの前に釘付けにさせたのも実はこの自民党コミ戦本部の策略だったそうです。
刺客とされた佐藤ゆかり候補が選挙区岐阜に入る際に、「この岐阜に嫁ぐ気持ちでやってきました。」と言わしめた、その台詞を作ったり、
片山さつき候補の髪型まで変えさせたのも、この自民党コミ戦本部だったというのですからびっくりです。
コミ戦のテーマは「マスメディアをいかに巻き込み、翻弄し、選挙戦を有利な方向に導くか?」ということ。 そのような意味ではあの選挙では、各メディアも自民党に「してやられた!!」と今でも感じているようです。
このように選挙戦も各選挙区において候補者同士が力と力でぶつかり合う選挙から、党が主体となって行う情報戦・心理戦・
洗脳戦に変わりつつあります。
有権者にとっては「選ぶつもりが選ばされてしまった・・・。」という感覚ではないでしょうjか。
今回の参議院選挙でもそうしたコミュニケーション戦略の一端が見うけられました。それは・・・
民主党の小沢代表は選挙前からただひたすらに地方1人区を廻り続けました。
田んぼの真ん中や公民館の駐車場でビール箱の上に立ち、とつとつと訴える小沢代表と、
大聴衆の前で力強く演説する安倍総理の姿が連日テレビを通じてお茶の間に届けられましたが、 有権者はこれをどう見ていたでしょうか・・・?
また、「過半数が取れなければ政治家を辞める」との小沢代表の強いメッセージも国民に大きなインパクトを与えたものと思います。
意図的であるかないかは別としても、こうした光景やメッセージをメディアを通じて伝え、 有権者を動かしていくことがまさにコミュニケーション戦略です。
勿論、選挙の争点はあくまでも「政策」であり、有権者の正しい判断による「選択」で議員や政権政党が選ばれるのが本来の姿です。
私達有権者一人ひとりも、2年前の教訓を胸に「劇場型」「ワイドショー的」 な流れに翻弄されぬようしっかりと判断していかなくてはなりません。
(明日が最終回です・・・)