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2003年06月04日

その名にふさわしくない結末(地方分権改革推進会議)

 迷走を続けていた政府「地方分権改革推進会議」の最終案が明らかされました。結果は予想通りメインテーマであった「三位一体」 のひとつである税源移譲の部分が「先送り」される形に・・・。

財政状況は厳しい。行政サービスは硬直化する。そんな閉塞感で覆われる地方自治体の現状からするならば、 地方分権と共に財源移譲が実現されることはまさに悲願であり、唯一希望の光であったわけですが、 中央省庁の厚い壁に阻まれ国の財政再建が優先されたことは残念でなりません。

国の財政再建を最優先とするならば「地方分権」ではなく「財政再建」とはじめから命名すべきだったでしょう。


一時期お題目のように唱えられていた「国土の均衡ある発展」という言葉はもはやその役割を終えようとしています。
今や、それぞれの地方がいかに知恵を絞り、工夫を凝らし「個性あふれる、活気に満ちた地域社会を創造していくか?」 時代のベクトルはきっとその方向に向かっているのだと思います。

ひもつきの補助金や、どこへ行っても一律のルール、そんな中央の縛りに囚われていたのでは何の発想も希望も生まれてこない。
自由に考え、それを裏付ける財源を持つ。
そう考えると地方の自立は財源の移譲なくしてはありえないのです。

地方財政の歳出総額は86兆円に膨らむ一方で税収は国税・地方税を合わせても74兆円。仮に国税・ 地方税全てをつぎ込んでも赤字になる。
そうした議論もあったようですが、頭で考えるまえにやってみたらいいと思う。つぎ込んでみてはどうでしょうか?
むしろ赤字は解消できる。それだけの知恵も工夫もノウハウもそしてエネルギーも・・・きっと今の地方自治体はどこも、 それだけのものを持っている。
そう実感しています。

国と地方が信頼しあうことができない実態、面子と既得権にこだわり続ける
関係。そうした現状に強い嫌悪感を抱きます。

 地方の立場からするならば、なおさら首を傾げたくなる・・・。

 住民の願い・悩み・希望・・・そうした思いを吸い上げられるのは、一番身近な政府といわれる地方自治体。 財務省の官僚よりも区の職員のほうが熟知しているということ。言い換えれば国会議員より私たち地方議員のほうが
アンテナが敏感だということ。区議会議員になって以来私がいつも感じていることです。

8年あまり・・・地方議員として政治に関わり、住民の日々の営みの中で活動している私にとっては、 この最終案は納得ができないものです。

地方分権への道筋はあまりにも遠い。

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