結論から言うと私としては「現状においての靖国神社への首相公式参拝には反対」 の立場です。戦争責任者の合祀問題を日本国民もまた国際的にも納得が得られるような解決を図り、 誰もが胸を張って参拝ができる神社にしてもらいたいと願っています。
ここで私の体験について少しお話しします。
小中学校の歴史の時間に第二次世界大戦について教えられた記憶は殆どありません。何故か、いつも、どの先生も、 明治維新以降は駆け足で過ぎあっという間に近代史は終わりました。(時間がなかったみたいです。)
高校は都立九段高校に3年間通いました。隣りは「靖国神社」です。大きな神社、戦争犠牲者・英霊が祀られている。 桜の時期は花見に絶好。そんな印象でしかありませんでした。
私が戦争観を認識し始めたのは大学3年のとき。きっかけは「国際法」のゼミに入り、 主に第二次世界大戦および東京裁判についての研究を始めた頃でした。
私の担当教授は終始一貫「あの戦争は自衛戦争だった」「勝者が敗者を裁く東京裁判は国際法の観点からしても認められない」との主張。
3年の夏には広島県江田島にある海上自衛隊に1週間の体験入隊を課せられました。江田島は旧海軍兵学校があったところです。
その当時のパンフレットが偶然にも残っていたのでご紹介します。(写真)手旗信号・カッター(ボート)訓練などなど・・・
今になって考えると信じられない話でもありますが、貴重な体験をさせてもらいました。
また最終日には施設内にある「教育参考館」を見せてもらい、戦争当時の若者たちの不遇にゼミ仲間みんなで涙したことを今でも覚えています。
4年になると2週間に渡っての韓国研修。新幹線で下関まで行きフェリーで釜山へ、そこから列車を乗り継ぎソウル・板門店と巡り・・・ 日本と韓国との歴史について学びました。とりわけ北朝鮮との国境線(38度線)をこの目で見ることができたことは、 大変な経験で今でも教授に感謝しています。
私のゼミの教授はそうした実体験のもとに学問を積み上げていくタイプの人でしたから当然説得力がありました。また、 当時私達ゼミ生も何の違和感もなくそうした指導について行ったような気がしています。
今になって冷静に考えてみると違和感も感じる部分もありましたし、あの頃教授が言っていたことに多少疑問も残りますが、 それでも私にとってはこの靖国問題や戦争について考え自ら判断する上での貴重な体験となったことは事実です。