本日、厚生委員会が開催され、平成11年に起きた「文京区立さしがや保育園アスベストばく露」
に関する健康対策検討委員会の最終報告を受けました
(写真は本日の委員会資料)。
健康対策等検討委員会は煙山区長の諮問を受け、平成11年10月設置。
会長は京都大学大学院教授 内山巌雄氏(アスベストの権威。)
その他、学識経験者・専門から11名で構成。
○委員会の主たる目的は・・・。
①園児および関係職員のアスベストばく露量の推定および、健康への影響について
②ばく露を受けた者への健康対策について。
<最終報告の主な内容>
1.リスクアセスメント(ばく露量と発がんの確立)
園舎の改修工事により飛散したアスベスト量を推測するため、その当時の状況を再現し、シミュレーションを行った。(珍しいケース)
シミュレーションによる測定値からばく露量を推定。不確実係数をかけた後、既知の医学文献に基づき評価。リスクの判定を行った。
2.推定ばく露量
国の指針では、アスベストをはじめとする発がん物質のリスクは、10万分の1(10万人に一人)
を概ね基準にそれ以上である時は何らかの対策をとるべきであると考えられている。
今回のばく露した園児等のリスクはばく露推計量から換算すると最大で10万分の6.3と推測され、また、
ばく露年齢が0~5歳という不確実要因も加わることから、今後何らかの健康面での経過観察が必要であると考えられる。
3.今後の健康対策に関する提言
健康対策におけるアスベスト関連疾患の定義としては
悪性中皮種・肺がん・良性石綿(アスベスト)胸膜炎の3疾患とする。
潜伏期間は
成人で10年後・園児については20年を概ねとする。
健康対策の対象者
園児108名、保育園常勤職員25名、非常勤職員14名、その他2名。
とする。
健康診断の開始時期および費用負担
園児は2019年より成人職員については2009年より検診体制が必要。
費用負担については文京区が負担すべきものと考える。
4.「さいがや保育園アスベスト関連疾患健康対策等実施委員会(仮称)の設置」
上記の健康対策を実施するための委員会の設置を提言する。
実施委員会は専門家などの参加のもと、30年~40年のフォローを実施。
また、新たな知見に基づいて適宜実施事項の見直しも必要。