今日、防災・まちづくり・住宅対策調査特別委員会が行われました。
「都市再生法」についての研究会です。東京大学大学院助教授の小泉秀樹氏を講師にお迎えし、都市再生法の概要・課題・
地方自治体との関わりについて説明・質疑応答など、熱い議論となりました。
つくづく感じるのは、この法律の目的が「都市再生」と銘打っているものの実は経済再生の手段として、出来上がった代物であるということです。
今まで地方にばら撒かれていたお金を都市に落とす。また、都市環境を作り直すという意味では、大きな転換であり歓迎できるものですが、反面、
規制緩和や民間による提案制度は地域によっては大きなトラブルの要因ともなります。
特に「緊急整備地域」に指定された地域では急速な再開発の影響がどのようにでてくるのか?
オフィス街など非住宅地においては問題なさそうですが、功罪両方を秘めた両刃の剣のような感じがします。
それと、懸念されるのは地域独自のまちづくりにどう影響してくるか?という点。
法律に合致していればどんな建物でもOK。総合設計制度を上手く使って規制緩和の獲得。
など地域の環境や町の特徴を無視した計画が横行するようになれば、地域に根ざした「まちづくり」はできません。
こうした課題について住民に最も近い自治体としてどう対処していくか?非常に重要です。
文京区では、絶対高さ制限の導入や(六義園周辺)、住宅系建築物について、
総合設計の許可手続きなしに規制緩和がなされる今回の建築基準法改正については、
適用除外を東京都に要請するなど一定の措置を講じてきたところですが・・・。
今後、こうした一連の法律改正を巡って課題も残りそうです。
私がいつも主張しているのは「地域にあったまちづくり」を進めていくということ。文京区にもいくつもの顔がります。
山の手もあれば下町もある。その地域の特徴を生かしたまちづくりをどのように進めていくのか?住民・民間企業・
行政がそれぞれ共通認識をもち、真剣に考え、エネルギーを発していかないといけないと思う。
でもコーディネイトする仕組みがないのが現状です。講師の小泉氏はNPOの
活用やボランタリーセクターの関与の必要性を説かれていましたが・・・。
場合によっては行政主導で住民の喚起を促し「地区計画」の決定をするとか、「まちづくり条例」を制定するなどの手法もあるようです。
いろいろ研究してみようかと思っています。