特別区総務財政委員長会の研究会に出席しました。テーマは「市町村合併の現状と課題について」。
講師の山崎重孝氏は総務省行政局市町村課行政体制整備室長として実務に携わっており、市町村合併の現状を知る上で貴重な研究会でした。
現在、3218市町村のうち約半分の1546市町村が人口1万を切っており、このまま合併せずに推移すると、
2030年には人口5千未満の市町村数が現在の710団体から1164団体へと急増すると予想されています。
行政サービスの効率化や地方財政基盤の強化という観点からするならば、国としてもなるべく早い時期に合併を推進したいという立場でしょう。
そこで合併重点支援地域を指定し、市町村合併に関する特例法の期限、平成17年3月までに合併をすれば、
財政措置を含め支援をしていくという積極的な動きが見られます。それらを受けて、地方においても47都道府県において「市町村合併支援本部」
が立ち上げられているようです。
注目すべきは、特別区23区も例外ではないということ。平成11年に施行された
「地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律一部施行令」では東京23区も合併の対象とされています。
「日本の顔でもある東京23区が、財政規模、人口規模等その自治能力がバラバラであっていいのか?課題がある」
と山崎氏は厳しい指摘をしています。各区がそうした認識をもって自主的に合併をし、規模能力をそろえてほしいと考えているようです。しかし、
そう簡単にはいかないのが現状でしょう。勝手に好きなもの同士が合併すればいいという問題ではないし、
23区においては財政調整制度や広域的事務を扱っていく上での東京都の関係もあります。こうした、
問題をクリアするためには相当な時間と議論が要するものと考えます。
しかしながら、将来の東京23区のあるべき姿を考えるならば、避けて通ることのできない課題でもあるし、これらが実現しなければ、
真の意味での「基礎的自体」としての地位が確立ができないのかもしれません。現状と認識のはざまの悩ましい問題です・・・。